みんなの声『新型コロナウイルスを乗り越えた、韓国・大邱市民たちの記録』に寄せて

Pocket
このエントリーをはてなブックマークに追加


5月4日、緊急翻訳出版し、PDF版でひと足早くお届けした『新型コロナウイルスを乗り越えた、韓国・大邱市民たちの記録』に集まった様々なみなさんの声を集めてみました。

PDF版はコチラから ⇒ http://shop.chekccori.tokyo/products/detail/1698

―――――――

突如として恐怖と不安に包まれた大邱市。気分が沈みがちな同市の人々を救ってくれたのが文化芸術分野であり、その力と価値の大きさを再認識したという。日本も今年4月の緊急事態宣言後、さまざまなアーティストが自らの作品を通じてポジティブなメッセージを発信しはじめている。日本もはやく大邱市のような状況になってくれることを願いたい。
(“K-POP番長” 音楽ライター まつもとたくお)

―――――――

全世界がコロナ禍に陥るより1カ月ほど前だった。韓国の地方都市・大邱で新興宗教団体で大規模なクラスターが発生した。原因不明の新型ウイルス、異端とされた教団というスキャンダラスな組み合わせに、大邱市民に対する風評被害も沸き起こった。本書はその頃、渦中の大邱市民51名によって綴られたエッセイだ。作家や詩人をはじめ、主婦、飲食店店主、保育園園長など立場も年齢も様々な記録は、今後、時が経つにつれ貴重なものとなるはずだ。
それよりも、今まさに♯STAY HOME下にある東京で本書を読み進めると、自分とそっくりの境遇や心境、行動に出会えることに驚く。

休業を余儀なくされたカフェの鉢植えが枯れないように水をやりに行く店主。
気がおかしくなるくらい殺到するキャンセルの問い合わせに毎日対応する旅行代理店。
開店休業状態のなか、消毒用のうがい液を市民に無償配布する歯科医。
市民に楽しんでもらおうとライブ配信を始めた大邱の芸術家や音楽家たち。

日常を崩さないようにしようと抗う姿に共鳴し、胸が熱くなる。
私は、彼らの体験した不安や小さな希望を読むことで、不思議と自分の気持ちが癒されていくような気がした。そう、世界中の人たちが同じ境遇だと、わかっていたつもりだったけど、どうやら自分だけが、私の家族だけが、私の近所だけが禍に直面しているような錯覚に陥っていたようだ。海の向こうの、今は直接会うことができない大邱の人たちに思いを馳せることで、救われた気持ちになった。
(岡崎暢子 韓日翻訳、編集者)

 

―――――――

昨年のツアーでお世話になったあの大邱の方々が、よりにもよって、このコロナ禍の渦中に投げ込まれるとは!ツアーでご一緒したメンバーの皆の共通の思いだったと思います。

慣れないPDFを読み下していきながら、私たちと同じようなごく普通の市民であった皆さんたちが、「まずは遠いことと思い」、「“コロナが大邱にやってきてしまった”ことに驚き」、「最大限の注意を払った生活を始め」、「その中でも希望を持ちながら暮らしていく」その葛藤に、一つ一つ共感したり、驚愕したりしました。

中でも、母を療養施設に送ったばかりで感染させて死なせてしまった家族の話である「コロナ時代の愛」、ここには母を思う気持ちや、妻との葛藤が赤裸々に描かれており、こんなに書いてしまって大丈夫なのか?と思った後で、「小説の形式を借りた私たちの物語」とあって、ああ、そういうことなのか、と思いました。でもここには、“必ずしも事実ではない真実”が描かれているように感じ、この小説家の力量を改めて感じました。

その他、私たちには分からない、軍隊での生活を描いた「軍人と民間人の境界」もあり、また青少年政策課課長による「生活治療センター“持たざる創造者”たちと共に歩んだ15日間」では、大邱だけではない韓国全体の行政の在り方・動き方が、日本とあまりに違うことに驚くとともに、今後の日本の在り方を考える上でとても参考になりました。

その他挙げていけばキリがないのですが、どの方のお話も具体的で分かり易く、そして身につまされることも多かったです。このような緊急出版を思い立った出版社学而思に感謝するとともに、大邱の皆さんが、そして日本の私たちも、「新型コロナウィルス」との戦いに勝って、一日も早くまた互いに行き来できる日がくることを願っています。
(読者 円谷弥生)

―――――――

5月17日「好書好日」インタビュー記事

新型コロナを乗り越えた韓国・大邱市民たちの記録が本に ブックカフェ「チェッコリ」運営のCUONが翻訳出版
https://book.asahi.com/article/13370476

―――――――

5月20日東京新聞掲載

“サクラの花言葉は…” 私説・論説室から(TOKYO Web)
https://www.tokyo-np.co.jp/article/column/ronsetu/CK2020052002000169.html

 

―――――――